「営業マンはポジティブであるべき」
営業セミナーや書籍、ブログで言われることが多い言葉です。
しかし、「どう」ポジティブであるべきなのか?
表面的には理解ができても、具体性に欠けることが多い印象を受けます。
私こそ過去はネガティブの塊だったので、ますます理解し難い言葉です。
今回は、営業のポジティブ思考を深掘りしつつ、打開策をお伝えしていきます。
ポジティブ思考とは【物事の良い面】に注目すること
ポジティブ思考はやはり営業に必須です。
なぜなら営業は「断られる仕事」のためです。
相手に断られると誰だってショックを受けます。
どんなベテラン営業マンでも気落ちするものです。
お客様に断られるのは、営業にとって珍しいことでありません。
断られることが日常茶飯事だからこそ、ネガティブから脱する必要があるのです。
気持ちが下がるところから、上昇させる思考力をポジティブ思考と言います。
「できるはず!」「気持ちの問題だ!」などの、ただの精神論ではなく、コツを掴めばネガティブな方でも自由に扱うことができます。
結果に対する反応では決してなく、捉え方であることから認識していきましょう。
物事のどこに視点を置くべきか
数ある営業の中で、もっともダメージが大きいのは、長期に渡る商談を断られた時ではないでしょうか。
例えば、競合他社がいる中で、あるケーブルテレビの通信回線を提案していたとします。
しかし、価格が原因でコンペに負けてしまい、お客様から次のような返事をいただいてしまいました。
申し訳ありませんが、今回は他社の通信回線のを契約をすることにしました。
御社の回線は、テレビサービスがしっかりしていて気に入っていたのですが、価格が高かったのです
このとき、結果のどこに視点をあてるべきかを考えなければなりません。
多くの営業マンは「他社と比べると価格が高い」というマイナス面に意識してしまいがちです。
マイナス面に意識してしまうと、営業活動がどうしても消極的になってしまいます。
他の商談においても「価格が高いのですが、、」というネガティブ・トークが自然と出てきてしまうでしょう。
つまり、悪い面に注目することで、積極的に提案することにためらいを感じてしまうのです。
提案が滞ると、商談が良い方向に進むわけがありません。
そういったネガティブの連鎖を食い止めるために、視点を明るい箇所に向ける必要があります。
今後の商談では、「うちのケーブルテレビ回線は、テレビサービスが他社を圧倒している」というポイントを積極的にアピールしていきます。
質の高い価値提供ができる部分を強調するのです。
物事のどこに視点を当てるかで、営業活動に大きな影響を与えていきます。
ポジティブ思考を獲得するには、他社・自社製品の研究が必須である
自社製品の強みは、他社との比較から始まります。
比較してこそ、なにに秀でて、なにに劣っているのかが明瞭になるからです。
売れる営業マンは、他社の製品の強みや弱点を日夜研究しています。
同時に自社製品の良いところを、いかに伝わるかを考えています。
勝てない部分と勝てる部分をはっきりと見定めて、勝てる部分で勝負することで、自信を持って営業ができるようになるのです。
前向きな姿勢で提案する営業マンの「熱」は、お客様に必ず伝わります。
気合だけではポジティブ思考にはなれませんし、心の中で「ポジティブ!」と思っても続きません。
いかに、結果を通して物事の良い面を見るようにして、努力し続けられるかということに掛かっているのです。
価格や割引に頼った営業とサヨナラを
私自身、営業して日が浅い頃は、価格や割引に頼った営業をしていました。
キャンペーン等で「戦える!」と思えば、強気に営業ができて、結果を残すことができました。
しかし、期間限定の割引や施策がなくなると、途端に売れなくなります。
価格が高いから売れなくなる。
なぜ、割引をもっと継続しないのか?
当時の私はキャリヤやメーカーに不平を言っていました。
収入も不安定になると、割引や施策に頼った営業では売れなくなると実感し、危機感から自分の営業を見直すようになりました。
見直した末、他社製品の研究と、自社製品の強みをいかに伝えるかにエネルギーを注ぐようになり、必死にリサーチしたことを覚えています。
通信系はとにかく、競合が多いため、学ぶことやリサーチ対象も膨大です。
ネットで調べたり、実際に家電量販店を周り、他社製品の研究を積み重ねました。
地道な努力の結果、誰も思いつかないような売り方まで考案することができ、売上も4年連続トップになることができました。
ポジティブ思考とは物事の良い面を見つけることでありますが、同時にポジティブでいるための努力が最も大事だとトップ営業になる過程を通じて、実感することができたのです。